前頭芋

詩人・来空(らいくう)による、リトル・ポエムの世界

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思はずもヒヨコ生れぬ冬薔薇(そうび)

M39

乙字の「新傾向海」に出た有名な句。

荒涼落寞とした景色の中に、紅一点の冬薔薇を見つけたオヤという軽い驚きと、思わずも黄色羽毛の可憐なヒヨコが、かすかに澄んだ声を出して生れたオヤという強い驚きとの感じをかっきり受取って、何の作意も加えずにそのままに表現したもの。(安斎桜磈子)

ヒヨコが生れたことと季題「冬薔薇」とは関連することでなく、従来の季題観念によれば、この句は成立しがたいが、伝習的態度にとらわれず、作者の経験を生かした、その辺に新しみがある。(阿部喜三男)

この句で乙字のいう隠物法、暗示法などは、むしろ短詩が必然的にもたねばならなかった方法にすぎない。碧梧桐の運動は、むしろ散文をとおすことで韻文にかかわる文体とリズムの深まりを見せて行くのである。
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