前頭芋

詩人・来空(らいくう)による、リトル・ポエムの世界

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言霊の調べ vol.2 report

2009.7.20(月・祝) 於:喫茶フロンティア

尺八:城戸菖童 (きどしょうどう)・・・琴古流尺八竹童社本曲研究会幹事
短詩:來空(らいくう)・・・詩人・河東碧梧桐研究家(碧梧桐全集20巻刊行中)
             『日本詩歌のリズム』等評論も多数
               
五月に、ここフロンティアにて第一回を行いました。初めての試みでしたがお褒めの言葉を戴き、今回二回目を開催する運びとなりました。この度は「はけの自然を守る会」の協賛もいただいております。
今回は尺八の独奏も組みいれ、芭蕉の作品鑑賞を交えてみました。
ごゆっくりお楽しみください。

1、芭蕉の章

・古池や蛙とびこむ水の音 (芭蕉)
   パロディ↓
・古い日本(けや)!人飛び込んだ水音だ(來空)
(古い秩序の中に自分が飛び込んだ時の音を聴け!そのときの衝撃、そこで喚起される批評を叫べ!)

・夏草や兵どもが夢の跡 (芭蕉)
   パロディ↓
・青地球(あおくさ)!(や)人間(つわもの)どもが夢の跡 (來空)
(青く美しく見える地球も現実は人間どもの欲望の果て)

・歩行(かち)ならば杖つき坂を落馬哉 (芭蕉)
   パロディ↓
・徒歩(かち)ならば夢の外国(つえつきざか)を墜落(らくば)哉 (來空)
(文明化され便利になったものも裏を返せば危険に通ずるもの、横着はやめとけ)

・夏来てもただひとつ葉の一葉(ひとは)哉 (芭蕉)
   パロディ↓
・夏来ても集い一つもて絆 (來空)
(夏が来ても冬が来ても、つまるところ一つの葉、即ち自分である一つの命である)
 
・草いろいろおのおの花の手柄かな(芭蕉)
   パロディ↓
・国(ひな)にのおのお人は咲く各国(おのおの)担ひ (來空)・・・回文
(どこの国だって人は要る。各々の世界を担いつつ、十分に存在している)

・旅に病んで夢は枯野をかけ廻る (芭蕉) 
    パロディ↓
・人間(たび)に病んで人間(ゆめ)は地球(かれの)をかけめぐる (來空)
(旅に出ることが人生だった芭蕉、そこで病いになったが、その冬の枯野をまだ夢がかけめぐる)

*パロディとは原句を現代に甦らせること。

2、尺八独奏

3、十代・二十代・三十代の章


十代

・川は川の匂いぐんぐんもぐって行く
・ぶつぶつ飯盒が鳴る山へ向かって叫びたい
・尻尾振って帰って来た犬いっぱい草の種ついてる
・汚れた手いっぱいに椋の実もらった
・戦争放棄の国の炎天静かな石畳
・僕に父なし田のずっと向こう虫送りの火
・母が力一杯僕達を育ててきた麦の茎立ち
・弟丁稚に行って一年ひきだしに朝顔の種ある
・一つの胡桃をころがし貧困がくる
・空一杯山のからたちは愉快
・水底の砂さらさら流れる行商の母よ
・祭りだ金魚売だ京は錦だ蛸薬師
・朝顔がきゅっと一つの罪を閉じる
・僕が北の海に流れるくらげで美しい讃岐の海
・柿剥いたナイフを舐めるナイフは革命の味がする

二十代

・少年旋盤工ある日切削屑(きりこ)の虹の中
・油差しぽっぺんぽっぺん動く暗い霧
・鋳物工の砂まみれの裸が出てくる月だ
・洗い洗って紺色冴えるズボンだ春闘だ
・声を上げる肉体が夜業のシャツの中にある
・地べたに大きい蠅を歩かせ鉄どんどん錆びる
・次々鮮しい音を加える打鋲音
・炎天暗黒溶接面に呪詛をこもらせる
・鉋屑出す大工の背中はいつも一枚
・涎を流し流しながら鋲を焼きながらなら死ねる
・累々と産卵沖は未来に重量持つ
・ぽかっと毀れない個室ビル毀される
・椅子をこわすある日音楽ある日馬鹿
・ふいにドアが開くおちる手足の花束

三十代

・一本棒の先端にがっとひらいた鰓
・原爆ノコノ夥シイ泥びるノ窓ニ泥ツメ
・流木の一本突立つそれまでもそれからもない
・立テ板ヲ流レル裸 戦争ヘ往ク
・網膜を墜ちる丸太が垂直に剥ける
・海底のもう一枚の海で待つ艦隊
・ザンザカザンザカ罌粟をザンザカ傘にともし
・森にねてだったんぐう目覚めてだったんぐう骨のない海の貨車
・縄ふってなわじりあわすみしらぬあいつ
・わらわないわなわらうわななわのわらわな
・はんじゅく卵少年がまじる湖
・海の牧草 球(まり)は襲われている
・ややっ剥製・魚・魚を合掌造り
・馬を立ち寝ぞ支那走りして
・曳航は親の森汲むは薔薇烏賊

4、言霊調子の章

・汲めさんさんと言の葉のとことんさんざめく(回文)
・けむりだしやま音ごろしころり
・なまこまなこさんとこなめよ
・空といたしては蛸は足りてカア
・もんでわわしてよ栗とり球(たから)
・てふてふ山こえいばらつくてふ
・なみだつぶやまうみかなぶんぶん
・あおあおふくろふなつけるややこ
・なしてたわもてちまたちをうつ
・傘ぶらんか卵々男らんぷの古城
・あやひはにもにすだまなつみどりご
・はなみづきならはづきなみはえよ
・山川草木家々と雖ど蜻蛉
・ムクゲはウマをくらいては満ち紅
・タコすいタロー山かけてカカ撃つマリ
・葩(はなびら)ひとひ、ひとよそう蟹
・しゃらくめばしゃつこだまるかもめ
・ず父(ドン)と父(ぼす)てふ軟体よこがねいむさし
・うめうめ一輪の先祖血と参ろう

(短詩はすべて来空作)
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