前頭芋

詩人・来空(らいくう)による、リトル・ポエムの世界

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七月のリトルポエム

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●今後の「リトルポエム」ご案内

テーマは「詩の朗読と実作」。
来空ならではの、独特な世界を読み上げます。
フレッシュな十代の作品から、回文あり、おおらかな愛あり、労働歌あり、痛烈な社会批判あり。
おなかを抱えるパフォーマンスです。だまされたと思って一度きてみてください。

日時:【8月】8月2日(土)14:30-16:30
    【9月】9月14日(日)14:30-16:30   
場所:小金井市前原暫定集会施設
講師:来空
受講料:会場費実費

ご参加お待ちしています!

お申し込みはこちらから!↓
(「リトルポエム」のところまでスクロールしてください。)
http://www.koganei-cs.org/culture.html
当日飛び入り参加も大歓迎。

地図
http://www.koganei-cs.org/map.html

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七月のピトルポエムより
●「リズムの歴史について」 by来空

万葉集では、長歌・反歌、旋頭歌はそのリズムから
(その民族的な体験から)
和歌の8x4(4x8)=32拍形式が生まれ、
また、その和歌のリズムの慣習化(垂れ流し)から
芭蕉の8x3(4x6)=24拍形式が生まれ、
碧梧桐は、そこから8x2(4x4)=16拍形式を成立させた。
(ルビ俳句3x8=24もたくさんある)
そのリズムの法則と、慣習で言えるのは、
これからの詩形は8x1.5(4x3)=12拍形式が
一つの必然をもった形式になるだろう!ということ。
衝撃的なコトバの新しさ、現実の新しさはリズムとともに甦る!
詩の歴史が、“日本のリズムは短くなっていくよ”と言っている。

●七月の作品 来空評

題:空

・まねばっかする空は生きとらん  (来空)

・ソラいちめんの王国 (マオラムド)

 「王国」がちょっと常識的。
 自分の言葉にまで高めると、揺るがなくなる。


・ドレミファ ソラゴン 飛んできた  (マオラムド)

 「ソラゴン」がすごく面白い。ことに「ゴン」がね。
 「飛んできた」はスラッと読んじゃうから、意味がわかっていてもプラスに働く。


・その面(つら) まぶたあげよ空 (波丸鴨)

 例えば「その面あげよ まぶた空」とか、
 入れかえてみてより衝撃的に。


・胸に吸い込む うっ空  (波丸鴨)

 「に」が説明的。驚きと言うより説得になってしまう。
 ない方が随分効果がある。「胸吸い込む うっ空」
 「うっ空」というのは面白いね。


・水々しい四天  (桂久爾)

 「四」というのがいいね。僕の場合四を主張するから。
 句としては、もっと違う形で見たい。


・ねごとゆってるそらしとね  (蕪無)

 おとなしくていい句。素直な。
 このままでいい。


・汗のあしおと ソラシドレ  (蕪無)

 一つの捉え方がある「汗のあしおと」と「ソラシドレ」の、
 リズムの関係に開きがある。説明的な「汗のあしおと」を
 「ソラシドレ」で切り離しちゃった感がある。
 変えるなら、例えば「汗のあしおと ソラシドレる」とか。


・コトリとんでる空コップ  (苑芭篠木)

 「そらコップ」っていうのが怖くてね。
 朝鮮にいた時、コトリ(=人間)がさらわれることが実際にあった。
 その怖いことを思い出す。時代がある。
 ただ、「る」がちょっと説明的で、小鳥が飛んでる方に偏っちゃう。
 なくても僕の場合はこたえる。
 この作者の、一つの構造世界、魑魅魍魎部分にごっつ惹かれる。


題:夏

・おもにあぼじとうやここなつ  (来空)

 朝鮮語で「おもに」=父、「あぼじ」=母。
 問うや。


・夏もぐれ 爆弾投下 空落ちた  (波丸鴨)

 「も」がいいね? 「潜れ」でもあるし「も、暮れ」でもあるし。
 爆弾投下という現実があるのもいいですね。
 でも現代人がよく使ってる言葉だから、衝撃は少ない。
 もっと違う言い方で。


・にじをなみしぶくてふ  (桂久爾)

 キレイだよね? 上手。
 「てふ」は蝶もしくは超。
 キレイだよな? 虹を波がしぶいてるんですよね。
 これ傑作だと思う。


・くるほたるをとんぼおうぎに  (桂久爾)

 「おうぎ」が面白いねー。「仰ぎに」でもいいね。
 ほたる来るでしょうよ、それがとんぼおうぎなんだと。
 一つの風でもあるだろうし。
 これもいい句だと思うよ。


・あまざらすひびきをあおい  (桂久爾)

 悪い句じゃない。
 「を」がいらない気もするけどやっぱり「を」しかないかあ。


・かわあおいたつせみしぐれ  (桂久爾)

 この「たつ」は効いてるな?。

・チャバネモノノケ蒸しマサシ(男子)  (苑芭篠木)

 「男子」のルビはいらんよ。マサシったら男しかないもん。
 「蒸し」も「ムシ」の方がいいよ。「蒸し」言うと、途端に人工的。
 おもしろいね?この人のわけわからん部分が好き。
 魑魅魍魎、そういうもんと格闘してる部分がある。


・夏の使者ナニまがらず  (苑芭篠木)

 「夏の使者」が散文的になっちゃう。
 「ナニ使者夏まがらず」とか、変えていった方がいい作品になる。


お題なし

・しあわせた
 来空
 もなか  (来空)

 5・4・3=12音。
 詩。死。合わせた。
 「しあわせだ」ととってもかまわない。それも含んでるんだから。
 その来空そのものがもなかであると。来空も中にあると。
 余韻を残していく書き方。
 いつか来空もなか作ってほしいな?


・碧が終局(ケツ)なら空も

 3・4・3=10音。
 おしりのケツ。来空と碧梧桐の関係。
 碧も空も同じだ。
 それを10音に収められましたよ。


・ひ、らいたア 毛饅頭

 5・5=10音。
 火、ライター。火を放つような毛饅頭。
 けまんじゅうなんてすけべな言葉。
 僕は、短詩の歴史も、女への尊敬も全部ぶっ込む。


・はいせんこう のばして ほろり  (波丸鴨)

 僕なんかは「配線、こう伸ばして」と思っちゃって。機械工やってた頃、懐かしい。
 「ほろり」が効かないみたいになっちゃってるかなあ。


・すきが樹になる はがゆい実  (波丸鴨)

 おもしろいねー。
 わからんところ含んでおもろい。
 おおそりゃはがゆいな。
 「すき」、「素」「木」。一字一字に意味があんのよねえ。
 内部の構図、こういうものまで生まれてくる。


・来空ウンコー 龍水ウム如し  (マオラムド)

 「夢で見た来空さんを句にしたかった。
 夢で「肉とウンコを合わせれば何かできる!」と言っていた。」byマオラムド
 「それはいいわ?、うん!」by来空


・アイアム ア プップマン  (マオラムド)

 言いきっちゃって溜飲が下がるかんじ。

・投げて良いのは心の石  (マオラムド)

 「投げて」も「良い」も全部短歌の方に行っちゃう。散文。
 「投げて良い石」のようにわからんくした方がいいな?
 前に「ココロ」をつけてみたり。
 「ココロココロココロ投げて良い石」


・ありじごくぼしアマザラス  (桂久爾)

 蟻地獄、干し、星。
 「り」が少し説明的。
 「あ、じごく」「あーじごく」ではどうか


●総評

今日も面白かった。僕自身興奮しながら読んだ。
詩を作る時は、当たり前によんでるようじゃ困るんで、
自分自身がびっっっくりするまでやる。

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詩の教室 六月レポート

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●「リトルポエム」のご案内

テーマは「詩の朗読と実作」。
来空ならではの、独特な世界を読み上げます。
フレッシュな十代の作品から、回文あり、おおらかな愛あり、労働歌あり、痛烈な社会批判あり。
おなかを抱えるパフォーマンスです。だまされたと思って一度きてみてください。

日時:【7月】7月16日(水)18:30-20:30
    【8月】8月2日(土)14:30-16:30
場所:小金井市前原暫定集会施設
講師:来空
受講料:会場費実費

ご参加お待ちしています!

お申し込みはこちらから!↓
(「リトルポエム」のところまでスクロールしてください。)
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六月の作品 来空評

・鯨たち僕たち鳥ダヨネー  (来空)

 鯨たちがしゃべってる。同じように会話してるよね。
 「鯨」は「籤」でも、「たち」は「立ち」(鯨が立ってる)でも、「僕」は「しもべ」でもある。
 内部ではそういうものも働いている。


・坊主タクワン コロコロしたり  (桂久爾)

 沢庵和尚が殺したとも読めるね。
 殺したのかもわからんね。


・タマテラコッタクワンボンズ  (桂久爾)

・ししてんてんひびきしらかみ  (桂久爾)

 神様のことだろう。そういう風になれればいいよなあ。
 「しらかみ」は「しらなみ」の方が自然に入ってくる。
 生き物が響き合ってること自体が神をうたっていることになる。


・うつむきぬ鳥とりどり流れた  (桂久爾)

 「うつむいた」でいいんじゃない?

・子のゆび音楽  (桂久爾)

 子どもの指は音楽だよなあ。

・絵の中の鳥が飛び立つ日はあるか  (浩)

 非常に説明的で冒険がない。
 「絵の鳥が飛び立つ」の方が新鮮。


・沢庵に違和を感じる我が舌に違和を感ず  (浩)

 驚きがない。
 「沢庵舌を感ず」ではどうか。


・鳥の喩となる自由はあるか  (浩)

 「鳥の喩」というのは面白いね。

・沢庵をつくる和尚の悟りは何か  (浩)

 変えるとしたら「沢庵和尚が沢庵」。

・ただくうおたくワンダフル  (苑芭篠木)

 この作者に、現代・現実に生きてる証明が常にある。
 通り魔の事件ありましたね。
 純粋であればあるほど追いつめられていく。
 行き場のなくなった人にとって、監獄はただで飯が食えるところでもあるのよ
 (「ただくう」=「ただ食う」)。
 そういう事件だけで食っていけるメディアとの隔たりがある。


 「ただくう」には、ただただ虚しいという意味も含んだ。by苑芭篠木

・ニャンとなくマサカさる  (苑芭篠木)

 冒険がある。

・うかないとり  (波丸鴨)

 好きな句。

・カワケワケアリ タクワン ワラウ  (波丸鴨)

・ニギレ ウナギ ツカメ タクワン  (波丸鴨)

 タクワンは沢庵にしちゃった方が面白いことは面白い。

・コツコツコツコツトリノシゴト  (波丸鴨)

 これ面白い。もう少し燃えてほしいな
 カーーーーッと燃えてほしい。


・カナ悪いタクワン  (またこ)

 日本語、ひらがなで書いてる良さがわかってない奴らばっかりだもんな。

・くいちらかしい鳥  (またこ)

 面白いね。食い散らかしいなんて新しい。
 もっといい句になる。


・平和なわい、屁<回文>  (蕪無)

 これ大好き。「わい」は「Y」にしちゃおう!
 平和なY、屁
 人間から屁が出てくる。


・ゆめゆいねむをぬらしゃんせ  (蕪無)

 「ゆい」がなんとかならんかなあ。
 「ゆめねむりをぬらしゃんせ」


・しがらみつんつくスケスケジジィ  (蕪無)

 僕のこと詠ったな。
 もちょっとやってください、もっとよくなる。


・天ヘマ かまへんで<回文>  (蕪無)

 大好き。この句もいいよ?。
 天もヘマすんのよ。だからこそ地球がビッグバン。


・歯がなる タクワン (R)

 歯とタクワンの関係が直接的。
 動かしていった方が面白くなる。
 例えば「葉がなるタクワン」。意味不明で面白い。
 もし「歯」を使うなら「歯がなる沢庵」の方が。
 お、沢庵がなんか言ってるな、と。


・トリニク トリニク トリニク  (R)

 どうにでも読める面白いところがあって。
 繋げたところに屈折(葛藤)が出てくる。
 トリニク ニクドリ・・・もっと面白くなる。


・てっぺんひらいた山(たくあん)いただいた  (来空)

・辿っていく糸玉のなか極彩色  (みみ)

 素直ないい句。

総評

詩というものは相手に説明するものじゃない。謎かけ。
声調や文体が無限に働くんですよ。


「日本語の文体」by来空 レジュメより

「日本語の世界」「日本語のリズム」をどう見たかが、そのままその人の表現(詩の文体)となるのが、今回のテーマ。

前回まで、意外に大ウケしたのは、中村烏堂の言った「意味はなく、文化音の規範をうけてない幼児の元始一音は絶対音(霊・神話)」(『原始日本語』)の説明時に、あるマジシャンが大きな水槽の水の上に張った紙の上を歩いて渡るという実演で、続いて紙の上をあるいた人はたちまち落ちた。という話。

その例をあげ、先人の歩いたあとはダメ。水の上に浮いているコトバ、一音一音を、自分の感性でとり込み、組み合わせ、文体化して行く、つまり伝統、習慣、常識と葛藤しつつ、新しい空気をとりこんで、今までになかったコトバの輝きを創り出す、時代とともに新鮮に目覚める感覚が詩。といったところ。

詩に目覚めた人は、日本では松尾芭蕉と河東碧梧桐のみといっていいようです。芭蕉は、

・乾坤の変は風雅のたね(三冊子)
・高く心を悟りて俗に帰るべし
・俳諧の益は俗語を正す
・新シミハ俳諧ノ花ナリ
・きのふの我に飽べし(俳諧無門関)
・古人の跡をもとめず、古人の求めたる所をもとめよ(韻塞)

と言いました。碧梧桐は詩の堕落を、

・偉大なる理想を有せざる人
・社会的名誉と地位を得ようとする人

と言い、

・環境を見ない盲者、環境に聞かない聾者ばかり。
・芸術の革命は、つねに古代の元始的芸術に還元すること。

と、百年前に宣言しているのだ。

コトバ一音一音を自分の感性でとり込み、組み合わせ、文体化すること、伝統・習慣・常識と葛藤するということが、文体そのものを作り出すという関係。そこでコトバは輝くのでした。

例えば文体のもつ構造要素は、よく言われる起→承→転→結。
これは起→承転→結で、リズムも前提→契機→認識 といってよいもの。ここに芭蕉のいう不易流行がある。
こうして示されたものは、すでにあるもの「雅」に対して、これからあらわれる「俗」の関係。
この七・七・七音リズムは四x六の二十四拍構造。

で、その変遷史は、

五・七・五・七・七=一つのコモリの詩形<和歌的美意識>=談林時代・・・芭蕉
→(継承)→(解体)→五・七・五=一つのコモリの詩形<俳句的美意識>・・・芭蕉
→(継承)→(解体)→短詩=新傾向・自由律を経て一つのコモリの詩形・・・碧梧桐
その「俗」=「流行」にかかわる文体自体、不易になること。
すでに獲得されている、前提→契機(葛藤)→認識があり、
その認識から出た前提→契機(葛藤)→認識がこれから獲得するものとなる。

しかし、このように説けても、それに従うことではない。現実をコトバ一音一音とともに輝かせ、自然にとらえ直す。自分はこう見たという表現をつよめることが現代の詩ということになる。

幼児発音からコトバははじまっているという初期的事実から、短詩を書かなければ、人真似だけがあって、時代の希望・願望にならない関係がある。

現代はグローバルな、人間としてまず目覚めなければならない。

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図書新聞に掲載されました!

5月31日の図書新聞に、来空による
「碧梧桐を貫くものとは?極めて重要な日本語の問題が語られている?」
の文章が掲載されました!

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※図をクリックして、右下の拡大マークを押すと、なんとか読めます。。

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