前頭芋

詩人・来空(らいくう)による、リトル・ポエムの世界

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掛乞や金庫は空と見てのけぬ

M35

掛乞は、掛を乞うこと、支払日を月末にまとめるなどの方法。
日本には大不況が訪れていた。どこの商店や会社の金庫も空っぽ。資本主義は不況や各国の戦争を招来し、江戸時代からあった社会批判や諧謔を一層認識しなければならなかった。
碧梧桐は主張していないが、「川柳」を含むものとして詠んでいる。むしろ、「短歌」「俳句」「川柳」と細分化することを、短詩の弱体化と捉えていたのだった。
そんな碧梧桐こそ、日本のコトバの問題を一貫して総括的に捉えた詩人―。

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売初や多分に切って尺の物

M36

昔はどこのお店だって、正月三日は休日。四日頃店開きになる。尺の物という以上、着物の材料、反物を多分おおめに切っている。
新しい年とともに日常が動き出した。生きる活気がいきいき尺の物といいきった声調にこもっている。
碧梧桐はいつだって、詩形の成長を精神の高揚とともに迎えたのだ。
当初から耳の人といわれた碧梧桐は、響がもっとも身につき、また目の人ともいわれたリアルな日常生活の活写があったのだ。

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転結を置かぬ詩多し冬籠

M39

この句は、短歌の一方的、習慣的なリズムに転結を求められるもの・・・つまりは、三三七拍子から手締めの手拍子の断念に至らねばならない、作品は転結に篭らねばならない、という自覚でもあったのだろう。

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万葉の歌に後なき寒さかな

M38

従来、作品鑑賞にこうした作風はとりあげない気風が日本にはあった。それは、日本の詩歌を構造的には問わないという重大な欠陥だった。

この句は、万葉にあった怨念とか憤怒といっていい不可解なものが、短歌や俳句に失われたということを指摘しているだろう。

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親子で短詩をつくろう

「小金井コミュニティスクール」で来空が講師をします。

3月3日(土)
3月10日(土)2回で1,200円
JR「武蔵小金井」駅「前原暫定集会施設」C会議室

世界で一番短い詩は日本で生れました。誰にでも書けて面白いもの。そのお話を聞いて、実際に詩をつくってみます。
(大人だけ・子どもだけの参加もOK)

受講方法・地図など
http://homepage2.nifty.com/kacce/school1/schoolindex.html

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思はずもヒヨコ生れぬ冬薔薇(そうび)

M39

乙字の「新傾向海」に出た有名な句。

荒涼落寞とした景色の中に、紅一点の冬薔薇を見つけたオヤという軽い驚きと、思わずも黄色羽毛の可憐なヒヨコが、かすかに澄んだ声を出して生れたオヤという強い驚きとの感じをかっきり受取って、何の作意も加えずにそのままに表現したもの。(安斎桜磈子)

ヒヨコが生れたことと季題「冬薔薇」とは関連することでなく、従来の季題観念によれば、この句は成立しがたいが、伝習的態度にとらわれず、作者の経験を生かした、その辺に新しみがある。(阿部喜三男)

この句で乙字のいう隠物法、暗示法などは、むしろ短詩が必然的にもたねばならなかった方法にすぎない。碧梧桐の運動は、むしろ散文をとおすことで韻文にかかわる文体とリズムの深まりを見せて行くのである。

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