前頭芋

詩人・来空(らいくう)による、リトル・ポエムの世界

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

聯隊(れんたい)に祭る遺骨や日の盛り

M36

すでに兵の遺骨が増える状況も、盛りとなったとしなければならないだろう。
巷は喧々轟々。人々は政治に煽られ軍国主義を自ら招き寄せていた。
碧梧桐は記者の目で客観的な考察を試み、アメリカの横暴を摘発する記事も見られている。

スポンサーサイト

PageTop

炉を開いて灰つめたく火の消えんとす

M29

年を越した古い灰は土のやうに固く冷えきってゐて、置かれた紅い火の玉は、間もなく其侭、光らなくなり、暗くなり、消えていこうとする。やや誇張して言へば、熱火と冷灰の一種の斗爭―それと一つになって通ふ作者の気魄のやうなのが、此句の根本の気息をなして居る(中村草田男)

日本語のリズム(等時拍)は、一、二、四、八というリズムをとるほか手段はないが、二音の成立から考えるとき、四拍子がどうかかわるか、ということも重要である。

←2→│ ←4→│
 ろを│ひらいて│
 はい│つめたく│
 ひの│きえんと│す

和歌のリズムにどう俳諧がかかわるか、の体験に、気魄とか、気息もあったとしなければならないのだ。

PageTop

ラバ深みよる瀬の汐のド黒口に釣れて

S3

碧梧桐は釣りにはげむ釣人でもあった。作品も多く発表されたが、この句以後、作品にルビがつけられはじめたことに注目しておきたい。

火山桜島の周辺には溶岩(ラバ)が屹立した、深い溝のような海があり、その辺は波も立たず、数限りない魚が集まっている。晴れた日は海水もすきとおって見えるが、雲みかげになると紺碧も黒々とした水面になる。折しも上汐によせるド黒い海面からピチピチとした魚を釣り上げたのである。(阿部喜三男)

「ラバ深み」と説明して休止を置き「よる瀬の汐の」とその海瀬の活動的光景を、「の」を重ねて心の張りを表して、活動的感情語とし、ここに小休止を置いて、「ド黒口に釣れて」と釣り得た喜びを軽く結んだ。この場合の「の」の重ね方、「ド黒口」の独自な表現は、この雄大な光景の中に層一層と力強い特性を表し得て、いまだ誰もよくなし得なかったところを読み得ている。(風間直得)

このように、細かに解説された時代もあったのである。

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。